2014年2月13日木曜日

パチンコ業界を潰す効果的な方法とは?

パチンコ、雀荘、ポーカー、地下カジノ...日本の賭博(ギャンブル)基礎知識編:1

2013年10月16日

 

※この記事は、日刊ナックルズ勝手に編集会議での松本和彦氏の発言を編集したものです。

―― 今日のテーマはパチンコ問題ということですが、まず基礎編として "遊技" と "賭博" の違いとはなんでしょう?

「賭博(ギャンブル・博打)の定義ってわかるかい? 簡単に言うと、未来が予測できない事に対して、見返りを求めて自分の財産を賭ける行為を賭博というんだ。競馬や競輪は投票券を買う事はできても、レースの結果にまでは干渉できないだろう? 日本ではそうした賭博行為は原則として違法。ただし競馬・競輪・競艇・オートレースの通称3競オートは、特例法で公営ギャンブルとして認められている。なんで特例法が作られたかというと、戦後復興の資金集めを目的としていたんだ。また、パチンコは風営法で賭博ではなく遊技だとされている。よくパチンコを遊戯と書くヤツがいるけど、あれは大間違い。正しくは遊技で、風営法に定められた7号営業だから、雀荘とかと同じくくりになっている。ちなみにゲームセンターなどは8号営業。射幸心を煽る可能性はあるけれども、7号に入らない業態が8号だと思えばいい」



※補足:風俗営業の種類

1号営業 キャバレー(キャバレー等の客への接客のある営業)

2号営業 料理店・社交飲食店(待合、料理店、カフェ等 / 1号営業店は除く)

3号営業 ダンス飲食店(ナイトクラブ、ディスコ等 / 1号営業店は除く)

4号営業 ダンスホール等(ダンスホール等)

5号営業 低照度飲食店(照明が10ルクス以下の飲食店で1~3号に入らない営業)

6号営業 区画飲食店(ネットカフェ等の狭い個室を提供する営業)

7号営業 マージャン店、パチンコ店等(客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業)

8号営業 ゲームセンター等(客の射幸心をそそる可能性はあるが7号に入らない営業)

 ◇

――そういえば雀荘もしくは雀荘で行われている賭け麻雀は賭博には入りませんか?

「厳密に言うとアウトだよな。リャンピンくらいから厳しくなる印象はあるけれども、点5だろうとピンだろうと、金銭を賭けたらダメ。だから雀荘の看板には "風速" とか暗号みたいな書き方でフリーのレートを書いてあるだろ? セットでやる場合は仲間内で決める事だからさておき。そもそもさ、法律を見ると一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる場合はOKとあるので、負けたら食事を奢るとか、お茶菓子を賭けるとか、そういう範囲なら合法だって話なんだ」

――ああ、昔はよくチョコレートやタバコを賭けるとか言い訳しましたよね。

「いや、タバコはタバコでダメなんだ。専売法に引っ掛かるからというのもあるけど、大昔のパチンコ屋は賞品(景品)としてタバコを出してたんだ。金やレコード針じゃなく。そしたらタバコの買取屋というのをヤクザ者が始めてしまい、資金源になってしまった。いわば3店方式のモデルだな。ちなみにそれが何でやられたかというと、さっき言った専売法違反なんだよ。今もタバコが景品にあるけど、あれは等価(定価)だろ? だから今でも400円分の価値のあるタバコを200円で買い取って、店で定価で売るなんて事をしたらアウトだよ」

――ところで遊技と言いますが、パチンコやスロットに技術介入の要素ってありますか? 年々その要素がなくなる一方だと思うのですが。

「パチンコはハンドルを自分で回すだろ? それによって狙い目を変えて図柄がよく回るようにするとか、出玉を増やすとかできるじゃん? スロットも自分でストップボタンを押すだろ? それによってちゃんと目押しができましたね、効率よくコインを獲得できましたね、っていうのが技術だと看做されるんだ。だからさ、ハンドルの固定打ちや店員に目押しを頼む行為は本来ならばヤっちゃいけないんだ。それをやると遊技じゃないだろと言われてしまうから、今は店によっては厳しく対処するところもあるよ」

――宝くじはどうなります?

「宝くじは賭博とは別の法があって、富くじ法(賭博及び富くじに関する罪)の範疇だね。お寺でやってたくじ引きなんかが起源だと思う」



※補足:最古の記録は鎌倉時代の文献にあり、その頃は御札などの景品が貰えたようだ。それが江戸時代頃になると金銭に代わり、収益はお寺の修理費用などにあてられていたらしい。

 ◇

――富くじと賭博の違いってなんでしょう?

「富くじと賭博というか、法で許される賭博と許されない賭博と考えた方がいいかもな。厳密に言うと例外が出る可能性はあるけど、法で認められている賭博や富くじは、胴元(主催者)が絶対に損をしないんだ。それに対して、例えば地下カジノ(違法)の場合は出目やカード次第で胴元が損をする可能性がある」

――胴元が損をしない方が許されるって妙ですね。

「それがグレーゾーンの苦しい言い訳で、胴元が絶対に損をしないのだから賭博ではないという変なロジックを振りかざす人が法の専門家なんかにもいる。賭博って、その場にいる全員にリスクがあるという前提なんだよ。ただ、違法賭博でアゲられた場合は全然話が変わってくるよ? ハナから違法賭博の場合は、リスクなく儲けてたヤツの罪が一番重くなるから、やってたゲームの種類によって罪の重さが変わったりする」

――もう少し詳しくお願いできますか?

「さっき話題に出た雀荘なんか、実は何かあった場合は店側が被るリスクがえらい大きいんだぞ? 裏でやってるポーカー屋なんかの方が軽いくらい。地下系の賭博でも、ポーカーとバカラでは罪の重さが違うんだ。賭博開帳図利(賭博場を開いて利益を図った)罪と言って、主に賭博の胴元に適用され、3カ月以上5年以下の懲役。早い話が場代(寺銭)を取るだけで、胴元が絶対に損をしない形で賭け事をさせてると看做されるとコレになる。雀荘やバカラはこっちになってしまうんだよ。ところがポーカー屋なんかの場合は、胴元が損をする可能性もあるので常習賭博罪なんかになる。これだと3年以下の懲役。常習じゃないと認めて貰えれば50万円以下の罰金。1時間300円の場代を取ってる雀荘も、儲けた金の1割を寺銭に取るような賭博の胴元も、罪状自体は賭博開帳図利で同じになるんだ。ちなみに野球・サッカー賭博をメールのやり取りだけでやってたとしても賭博開帳図利が適用される。物理的に集合しなくても、寺銭を取るシステムだとダメ。でもポーカーやブラックジャックとバカラでバカラの方が重いってのはおかしいけどな」

――売春防止法なんかにも似てますね。

「同じ! 売防もラブホテルの経営者の罪が妙に重かったりするよな。場所を提供する事で損をせず利益を得ているわけじゃん? すると賭博開帳図利と同じような考え方で、実際にやってる当事者達よりも罪が重くなるんだ。売防の場合は 【出資者・場所の提供者・管理者 >>>(超えられない壁) >>> 嬢・客】 って感じだな。ラブホのオヤジが直接その管理売春に関わっていなかったとしても、知ってて場所を提供してるのがバレたら同じくらいの罪に問われる」

――世の中のグレーゾーンと法律ってのは面倒臭いですね。

「法律と言えばさ、少し話が脱線するけど、国税庁が発表してる業種別の脱税件数ランキングって知ってるかい? それのトップ3に常に名前が挙がってるのがパチンコ屋なんだよ。不動の1位がバーとかクラブなんかの水商売で」

――近頃は世相を反映してか産廃業者とかリサイクル業者の脱税が増えてるんですよね。

「でもさ、これだけ不況だとか、パチンコ屋が斜陽だとか言われててもな、1件あたりの金額だとパチンコ屋がダントツの1位なんだぞ。あちこちで好き勝手に "抜ける" じゃん。それくらいモヤモヤした部分の多い業種なんだ。その極めつけが3店方式なんだけれども、この苦しいシステムの本当の欠陥に気付いている人間って、どうも少ないようなんだよ」



次回は本丸のあまり指摘されない3店方式の本当の欠陥について解説します。反パチンコを訴える人達が必ず目を付けるのが3店方式なのですが、果たして本当の欠陥に気付いている人がどれだけいるでしょう?

Written by 荒井禎雄

Photo by Paul Martin Eldridge

参照元 : 東京BREAKINGNEWS


最も効果的なパチンコ業界の潰し方とは? 日本の賭博(ギャンブル)基礎知識編:2

2013年10月20日



―― 三店方式の本当の欠陥との事ですが、念のため三店方式の基本から説明していただけますか?

「まず、パチンコ屋は出玉やコイン枚数に応じて、客に賞品を出す。商品でも景品でもなく "賞品" な。これが大事なポイントなんだけれども、一般的なパチンコ屋は景品カウンターと言っちゃってるよな。でもレコード針だの金だのってのは、厳密に言えば賞品と呼ぶべきです」

―― おそらく賞品と景品の違いも説明した方がよいかと。

「賞品というのは、何らかの功績や成績に応じて、ご褒美として貰える物。景品というのは、おまけとして付いてくるってニュアンスだな。参加者が漏れなく貰える粗品とかさ。普段は気にしなくてもいいかもしれないけど、いざという時のために、面倒くさい法律が絡んでくる可能性がある場合は、正しい単語の使い方を知っておいた方がいいぞ」

―― いっぱい玉を出したからと貰った記念品(賞品)を、たまたま買い取ってくれる人がいたから売った、というのが三店方式の基本ですよね。

「そうです。たまたま店の近くに古物商、いわゆる質屋があって、そこがパチンコ屋さんで貰った賞品を買い取ってくれたという言い訳です。また、パチンコ屋はその古物商に賞品としてちょうどいい品物が置いてあったから買ったと。これで三店方式の仕組みが完成します」

―― その場合にやってはいけないのは、パチンコ店による賞品の自社買いですよね?

「パチンコ屋が客に渡した賞品を、自分で買い戻したらアウトです。実際にそれで摘発を受けた店が何軒もあるよ。ただし、パチンコ屋の建物の中に古物商(交換所) が入っていても問題ない。これは知らない人もいるようだけど、経営者が完全に別だという言い訳ができていれば、パチンコ屋の中に交換所があっても問題ないんだ。実はつい最近、店内に交換所を設置していた横浜のパチンコ屋が摘発されたんだけど、それは店内に交換所があったからヤラれたんじゃありません。売上が悪くて、賞品を問屋を通して仕入れるのが嫌で自社でやっちゃったんだ。それがバレて摘発を受けた。まあ当然というか、やり方があまりに雑だよな。いくら金が欲しくても三店の大前提は守らないと」

―― 昔は景品カウンターに交換所の地図がありましたけど、今はそれもないですよね。

「そうだね、今はスタッフに交換所の場所を聞いても教えてくれないと思う。せいぜい賞品を受け取ったお客さん達はみんなあちらの方に歩いて行きますよ~って程度だね。パチンコが日本に存在できる最大の言い訳が三店方式だから、風向きが悪くなった今となっては完全に別会社だ、無関係だ、と建前を徹底するしかないよ」

―― ではその三店方式の本当の欠陥とはなんでしょう? あまり指摘されることがないそうですが?

「まずは私の知識が間違いないことを証明するために、これを見せておきます」

(※松本、古物商の許可票と古物台帳を取り出す)

―― え、あなたAV監督でしょう? 古物商の免許を持ってるんですか?

「うん、自動車商なんだけれども、自動車だけを買い取るって訳じゃなくて、主に自動車を買い取るという意味です。これは自己申告なので、自分がメインで扱う古物の分類を名乗っておけばいいってだけ」



(※補足 古物の分類)

1.美術品類 2.衣類 3.時計・宝飾品類 4.自動車 5.自動二輪車及び原動機付自転車 6.自転車類 7.写真機類 8.事務機器類 9.機械工具類 10.道具類 11.皮革・ゴム製品類 12.書籍 13.金券類



「申請を出す際に、取り扱いたい分類にチェックしていくんだけど、そこでいっぱい○付けちゃえば何でも買い取れるんだよ。俺の場合は車を担保に取るケースが多かったから自動車商がいいなって思っただけ。富山の港に船が着くから、そこに売り飛ばしに行ってたんだ」

――さらっと余計なことを言うな! パチンコの話しましょう。

「最も重要なのはこの古物台帳なんだ。この台帳には記入と保管の義務があるんだけど、毎回必ず書かなきゃいけない訳じゃない。総額1万円を超える取り引きをした場合は、客に身分証を提示してもらって、この台帳に客の名前・連絡先・取り引きした品物などを書き込まないといけない。ただし、ゲームソフト等は万引きも多かった事もあり、金額に関係なく記入しないといけない。また、台帳はデジタルデータでもいいです。エクセルとかで自分で作ったっていい。ただ、絶対に総額一万円を超える取り引きは全て記録・保管しておかないといけない。これは古物商の "義務" です」

ーーあれ? なんかおかしな話になってきましたね?

「だろ? 皆さんはパチンコで勝って景品交換して貰う際に、一度でも身分証を出したことがありますか? って話だ。ある訳ないだろ、そんなの」

――でもそれが義務なんですよね? じゃあ1万円未満の景品を何度も買い取ったという言い訳になっているんじゃないですか?

「違います。認可を得る時に教わるんだけれども "総額で1万円" です。もし1万円未満の取り引きしかしていないと言いたいならば、9,000円ないしは9,500円分の景品を買い取ったら、また列の最後尾に並び直してくださいと言わなきゃならない。そんな事を言われた記憶あるかい?」

――もしその話が本当なら、というかパチンコ業界が何も言い訳を用意していなかったとしたら、だいぶ危険なやり方をしてますよね?

「そうだろ? みんな三店方式までは目が行くんだけど、そこで止まっちゃってるんだよ。三店方式で最もマズイのは、どう考えたってこの点なんだ。」

――確かに三店方式を連呼する知ったかぶりのネットウヨクは大勢いますけど、そこをつついている人間は殆ど見かけませんね。

「だからさ、在特会でも何とか会でも何でもいいんだけれども、パチンコを潰したいと思ってるヤツが一斉に交換所が取り引きを記録してないと証拠付きで騒ぎ立てて、それが警察・政治家も無視できないレベルにまで波及したらどうなりますか? ってのがオレの提案。オレが考える最も効果が見込めるパチンコ屋の潰し方」

――確かにその情報に穴がないならば、カジノ設置したがっている政治家とかを動かせば夢物語じゃないかも!

「穴はないと思うぞ。オレも本気で調べたんだから。それに、過去に1人だけ国会議員がこの問題について発言してるんだよ。でもその時は話題にもならなくて、パチンコ業界のお偉方が国会に呼ばれたりもしたんだけど沈静化しちゃった。だから、そうならないように情報をドカンドカン拡散して、あちこちで火の手を上げてみてはどうだいって話だよ」

――確かに大久保で意味の解らないデモをやるよりも面白そうですね。

「じゃあさ、この情報がいかにヤバげな話なのか、実例を出してさらに詳しく説明してやるよ」



※ 次回はこの松本案を元に、実際にパチンコ業界で起きた事件について考察します。それを読めば、松本氏のアイデアが実は大当たりなんじゃないかと思えてくる......はず!

Written by 荒井禎雄

NDO(日本のダメなオトナたち)

※様々なジャンルの、何かしらの専門知識を持つ様々な業界の人間(オトナ)「ダメそうなオトナたち」による、マジメなんだかいい加減なんだか解らな い情報バラエティチャンネル。毎週日曜の昼間に、日刊ナックルズの(勝手に)公開編集会議を放送しています。記事に対するご意見ご要望などありましたら、 ぜひご参加ください。

参照元 : 東京BREAKINGNEWS


これは凄い情報です!確かにパチンコ店の換金場所で1万円以上の景品を買い取ってもらう時に客は身分証を提示してない。ということは100%帳簿に記載してないということになります。

確かにパチンコ廃絶を呼びかけるデモなので、これを主張している人は見たことがありません。(寧ろ知らないだけなのかもしれない。)

しかし、この不正行為を訴えたとしても、パチンコ屋とズブズブの生活安全課が、すんなり動くのだろうか?今のところ、パチンコ、パチスロの合法化は認められていないので、やるなら今の内か?

東京オリンピックをきっかけに安倍政権が進める「カジノ法案」が通れば、パチンコの換金合法化も認められかねない。

いや、たとえこの不正行為が認められたとしても、カジノ法案成立でパチンコ屋の換金合法化も認められることになる。そうすれば、この落とし穴の意味が無くなる。まずはカジノ解禁を阻止するのが先か。

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